子どもの力を信じる

園での取り組みをご紹介

子ども達の持つ可能性を信じること

子ども達が日々自由に遊べる環境で、個人個人やりたいことを中心に、主体性を尊重した教育・保育を目指しています。

特に幼児クラス以降になると、先生は「教える人」という立場ではなく、仲間として話し合いに参加し、子ども達の力を引き出していきます。
子ども達のやりたいという気持ちを大切にして進めていくことで、子ども達の責任感、達成感、仲間とのコミュニケーション能力、自己肯定感など、『生きる力』を身に着けることができます。
私たちは子ども達の持つ可能性を信じています。


事例 ゆめ組のプロジェクト
「生活発表会」

12月の初め、年長の子どもたちと生活発表会に向けて何を発表したいか話し合いました。
このクラスにはそのような発表に意欲があるリーダータイプの子がいたり、人前に出ることを嫌がる子や集団での活動を好まない子もいます。
そんな個性溢れる子どもたちが話し合いをすると色んな意見が出てきました。
去年と同じようなお姫様の出てくる劇がやりたい、人形劇がいい、ダンスがいい、歌も歌いたい…そして、そもそも発表をしたくないという子もいました。

なんでわかってくれないの?

子ども達が中心になってする話し合いはいつの間にか、いろいろな感情が入り混じって喧嘩へと発展していきます。
こんなにやりたいと思っているのにどうしてやってくれないのか、なんでわかってくれないんだろう…。自分の気持ちを貫くばかりで一向に話し合いは進みません。
そこで先生はまた日を改め、子ども達が冷静になって考える時間を作るよう提案しました。



次の日、やりたいと思っている子ども同士で話し合いが自然と始まりました。昨日よりも冷静に、どうしてそれがいいのかを詳しく話したり、他の子どもと自分の折衷案を提案する子もいました。 そして話し合いの結果、ペープサートで「リトルマーメイド」をやることになりました。
その場で話し合いに参加していた子どもたちはそれで納得。でも発表をしたくない子はその話し合いの場に呼んでも来てくれませんでした。


全員で参加したい!

年長さんにとっては園生活最後の行事。ここまで何年間も一緒に過ごしてきた仲間全員で最後も発表の場に立ちたい…そんな思いが発表したい子どもたちにはありました。

「楽しいところを見せたらやりたいと思ってくれるかもしれない…」
「○○くんの好きな色のキャラクターだったらやってくれるかな…」


何が嫌なのか何だったらやりたいかを聞いてみようということになりました。でも、みんなで聞きに行ったら緊張しちゃうかもしれないとひとりの女の子がその子と2人っきりになって話を聞いてみたりもしました。


何度も何度も話し合っていくうちに、やっとその子はセリフを人前で言うのが嫌だと教えてくれました。それを聞いた女の子たちが背景をめくったり、嵐のシーンでうちわで風を吹かせたりする裏方の役割はどうかと提案すると、それならやってみたいと言ってくれたのです。
前に出るだけが発表じゃない。裏方だってとっても大事な役割です。

これで全員揃いました。セリフの割り振りや、ペープサート作り、背景も子ども達が自分で考え準備を進めていきました。時には一日中、集中して作業をしている時もありました。
練習では気持ちの差から何度も何度も喧嘩になることもありましたが、その度に話し合いをしました。先生が練習の動画を撮って見せると「声が小さすぎる」「もっとここはこうしよう!」と反省会が始まり、また練習に励む子どもたち。



2月の生活発表会の日がコロナで臨時休園になりました。動画を撮って保護者に見せるだけにするという選択もありましたが、子ども達の熱い思いを汲んで3月の卒園式当日に発表することになりました。
卒園式当日の本番では、セリフを言うのを嫌がっていた子も一緒になって声を出せるようになり、いつの間にか笑顔で参加してくれるようになっていました。
本番は大成功。今までの練習の中で1番大きな声で、1番の出来栄えでした。
自分たちのやりたいことを自分たちの力で。
上手くいかないことがあっても諦めず、最後までやりきる。
それを乗り越えた子どもたちは心に宝物をもって、自信に満ち溢れた姿で卒園していきました。








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